ゲンを担ぎすぎて自分がなくなる
勝負事の前にはカツ丼を食べる。
何かやる時にはやっぱり大安が良い。
人類の歴史には古くから『験担ぎ』という文化がある。
日本でも海外でも価値観や表現は違えど、
不安な心を落ち着かせ、成功を引き寄せるための願掛けみたいな部分では共通の認識だろう。
風水や占いが世の中に広く広がっているのも、
きっとそういう何かを信じたい人間の弱さみたいなところなんだろう。
僕もいつからか大事なイベントの日には「赤いパンツを履く」という謎の験担ぎをしている。
(ちなみに、決して「勝負パンツ」という意味合いではない。)
ただし、今は梅雨である。
赤いパンツなんてそんな何枚も持っていない。
イベントが連日に及んだ時、赤いパンツが履けなくなってしまう。
そんな時、僕はどこか不安な気持ちに駆られてしまう。
「今日やたら信号で引っかかるのは赤いパンツを履いてないからじゃないかしら」
幸いあまり気にするタチではないので、現場についてしまえばもう忘れてしまうのだが、
これがメチャクチャ心配性の人だったらどうなるんだろうか。
もっというと、験に全てを支配されてしまうような人もいるのではないだろうか?
験に全てを支配されてしまったら、その人はもうその人ではない。
自分がなくなってしまうというのは全くもって本末転倒、恐ろしい事態だ。
僕も赤いパンツに囚われすぎないよう気を引き締めなければならない。
ふとTVを見ると、今日の占いコーナーが流れていた。
「蟹座の今日のラッキーカラーはブルー!」
僕は用意していた白い靴下を箪笥にしまい、ブルーの靴下を履いて家を出た。
信じるか信じないかはあなた次第です。
