こどものことば

僕には小学校1年生の娘がいる。
5年生になる兄に比べ、人見知りで比較的おとなしい性格だが、
独特なものを持っていてけっこうおもしろい。

例えば僕が「趣味はなんですか?」と聞くと
「寝ることです。」という。
「のび太か」と思わずツッコミたくなるけど、本当にそうなのだ。
外で遊ぶより家にいる方を好む。
ちょっと遠出しようよと誘っても、
「移動が退屈だから行かない」とか、
「疲れちゃうから行かない。」と、
よっぽど気に入る事案を提案しない限り、
まるで気難しい成人女性のような理屈でかわされてしまう。

そんなとにかくマイペースな娘だが、今まで数々の名言を残している。
言葉を覚えたての頃に出した、よくある類のものもあるけれどその一部を抜粋。

・ふくらはぎ
とにかくこれを使いたがった時期があって、何かにつけて言っていた。
例えば、僕が娘の片付け忘れたりかちゃんのパーツをソファで見つけ、
「なんだこれ?」と言った傍で「ふくらはぎだよ」という感じ。シュールすぎ。

・渋い
これも上記同様である。食べ物を食べた後によく言っていた。
なぜ「うまい、まずい、甘い、辛い、苦い…」といった数ある表現の中から
「渋い」をチョイスしたのかわからないが、
おいしいケーキを食べた後にも「渋いねこれ」と言っていた。

・フェレケット
フェレットを飼いたかったらしいが、大好きなタオルケットとどうも混同したらしい。

・サラランラップ
さららんとラップをかけることから命名。
響き的にこっちのほうが売れそうな気がして、秀逸なネーミングだなと思った。

・タイプ
これは今だに使っているが、お母さんにやってもらいたい時に「お母さんタイプ」
お父さんにやってもらいたい時には「お父さんタイプ」という風に使う。
当然「お兄ちゃんタイプ」も「○○(自分の名前)タイプ」も存在する。
つまり、我が家には今、様々なタイプが存在している。

・ベーカメレオン
写真にある工作のタイトル。
初めて見せられた時、この愚かな中年は「カメレオンでいいじゃん」とも思ったけど
よくよく考えると、あえて頭にベーをつけるセンス。素晴らしい。
ちなみに僕自身、小2の頃『水を飲む水牛』という紙粘土作品を作った記憶があるけれど、これを見た後なんて平凡なこどもだったんだろうと感じさせられた。

そんなこんなで今年ももうすぐ終わるけど、来年はもう2年生か。
娘はもう「フェレケット」は欲しがらず、すみっこ暮らしのすごろくが欲しいと言う。
「お父さんタイプ」でクリスマスの後の食べ残した「渋い」ケーキに
「サラランラップ」をかけながら、僕は思う。

立派に育って欲しいとは思うけど、どうか早く大きくはならないでおくれ。

「それは、ふくらはぎだね。」と耳元で聞こえた気がした。

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