クリエイターラプソディ

今の世の中には、『クリエイター』がいっぱいいる。
動画クリエイター・感動クリエイター・健康クリエイター・ハッピーライフクリエイター・ハイパーメディアクリエイター…枚挙にいとまがない。

率直に言うと、この『クリエイター』という単語が実像を通り越してすごく一人歩きしている気がする。
と同時に15-20年くらい前はそんなことなかったなぁという気もする。

その時クリエイターと呼ばれていた人たちは、それはそれは特別な存在だった。
大胆だけど繊細で、尖りまくってるけど、怖いくらいに無邪気。
実体験も踏まえだが、触るもの皆傷つくけど、ついて行ったその先には見たこともない綺麗な花が咲いている。そんな感じ。
だから、とてもじゃないけど自分で「おれクリエイターやってます。」なんて言えなかった。
そもそもクリエイターという単語自体がどういう意味なのか気になったので、ちょっと調べてみた。

【クリエイター】1 造物主。2 創造的な仕事をしている人。創造者。創作家。

なるほど。なんだか只者ではない。神々しさすら覚える。
気になったのでもう少し深掘りしてみた。

【創造】1 新しいものを初めてつくり出すこと。2 神が宇宙・万物をつくること。

やっぱりね。僕はとてもじゃないけどクリエイターにはなれない。
じゃあ何故今、多くの『クリエイター』が生まれることになったのか。

そう、この言葉は異常なほど便利なのである。その理由をいくつか考えてみた。

・資格がなくても言える。
・その言葉が持つ本来の意味である神々しさをまとえる&未来感がある。
(ハクがつく/なんかわからないけど凄そう)
・いい意味でやっていることがぼかせる。

僕は仕事で映像を作っているが、主な業務内容は、お客様から発注を受けた映像の企画構成をし、
時にはコピーを考え、演出をし、撮影をし、編集をし、映像に載せる音楽の選曲をしたり、アニメーションを作ったりしている。
これを一言で人に仕事を説明するときに「映像クリエイター」です。という程、便利なものはない。
だってリアルに言うと「用途に合わせて映像を作る一連の作業をするおじさん」になってしまう。
これでは対外的にあまりにハクがつかなさすぎる。新規で仕事が来そうな気配もない。
でも前述の通り、自身の個人的な見解もあって僕は「クリエイター」にはなれない。
言った時の自分を想像するだけで、勝手にフワフワした気分になってしまう。
言える時がくるとすれば、自分の中で「これは新しい!」という満足いくものが出来て、且つそれが世に受け入れられて初めて言える気がする。
(あくまで私見ですので、今現在クリエイターと言われている方々を否定するわけではないです。)

だから「クリエイター」じゃないけど「一連の作業をするおじさん」よりハクがつく肩書きってないのかな。

「肩書きクリエイター」の人がいたら今度お願いしてみようかな。

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