かくかくしかじか
僕の歯が欠けた。
一年半ほど前、何の前触れもなく突然に。
日頃の不摂生のせいもあり、口内環境は目も当てられないくらい荒廃しきっているのだろう。
ほどなく歯医者さんに通うことになったわけだが、歯医者さんに通うのはかれこれ2年ぶりくらいだった。
はっきり言って僕は歯医者さんが苦手だ。
口の中を通して、僕の日頃の不摂生を曝け出しているような気がして何か気まずいのだ。決して痛いからとかではない。
おまけに僕は歯並びが至極悪い。不正咬合(簡単に言うとシャクレです)でもある。
小学生の頃通っていた歯医者さんが、僕の症状を見るなり、
「こりゃオペだ、オペ。」
と言ったのは今でもトラウマになっている。
だから、そんな状態を見られたら、今までどんな風な人生を過ごしてきたか。
生い立ちまで見せているような気がして何か恥ずかしい。
でも歯が前触れもなく欠けるなんて、普通じゃない。
そんなわけで、僕は1年以上も歯医者さんに通うことになったのである。
そして先日、最後の親不知を抜いて口内環境は
「小川にメダカが戻ってきた!」と言わんばかりに正常に戻った。
雨にもマケズ。風にもマケズ。抜歯にも、繁忙期のタイトスケジュールにもマケズ。
虫歯のない人、そういふ人に私はなれた。
達成感と安堵感。そしてじんわりした喜びみたいなものをやっと感じれる!
というまさにその時、衝撃が走った。
「私、今日でここ辞めるんです。」
それは1年半苦楽を共にした(←勝手な妄想です)歯科衛生士さんの一言だった。
え?なにこの感情。。
家族でも友達でもないのにこの喪失感。
それはそうだ。
僕の不摂生、シャクレと生い立ち、恥ずかしい所全てを知っている(←勝手な妄想です)
を見せてた『唯一無二の他人』がいなくなるのだ。
そう、何の前触れもなく突然に。
歯磨きしてもう寝ます。。
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