ベビーカーに乗りたいくらい疲れた
インターネットの普及に伴い、買い物に行く機会は格段に減った‥ように思う。
買い物だけではなく、どこか行楽地に行くにも手軽に、しかも無料で下調べができるようにもなった。
無駄足に終わるということが格段に減ったと思う。
しかし、その分ネットの情報のトップにくるようなトレンドのものや場所には、
昔よりもより多くの人が集まるようになったように感じる。
ネットで「穴場」を検索して少しでも人が少なく、レアなものを求めようとしても、
結局みんな同じような考えだから、ネットに掲載された瞬間に穴場は穴場でなくなってしまう。
そんなイタチごっこのような情報収集を無視して、とりあえず出かけてから考えようという行動も嫌いではない。
ただし、それはあくまでも一人の場合は、である。
「誰かと一緒に」という条件が付くだけで、やはりネットの情報は手放せなくなってしまう。
だって何かあっても、一緒にいる人にはネットの情報のせいにできるから。
そんなこんなで、僕は家族と出かける時は入念な下調べをした上で出かけるようにしている。
旅行など行こうものなら昔の制作部時代よろしく分刻みの香盤をたてる。
当然時間通りいかないこともあるし、その度に僕が優先順位をつけて行き先を削ったりもするので
家族からは「割愛の旅」と言われ、はっきり言って不評だ。
前提として、僕及び家族全員人混みが得意ではない。
だから行き先も全てネットに掲載されている「穴場」中心で構成している。
だけど、行ってみるともう全然「穴場」ではないのだ。
もう人、人、人。そしてベビーカー。
ん?ベビーカー?
人混みで疲れ切っている僕は、そんな時に出会うベビーカー(に乗る赤子)に嫉妬する。
うらやましい。
人混みの中を悠然と、まるでモーゼのように闊歩できるその空間。
昼寝だってし放題だ。
「可愛い赤ちゃんね。」
同じように横でベビーカーを見ていた妻が僕に言った。
妻には僕のクソな脳内思考を口が裂けても言えない。
僕はいつまでたっても自分に弱く、そして母は強い。
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